小学校受験塾と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは、ペーパー問題や知識の詰め込みかもしれません。 少なくとも、私はそう思っていました。
ですが、実際に通ってみて感じたのは、塾の役割は、勉強を教えることだけではないということでした。 むしろ、勉強以外の部分こそが、塾に通う最大の意味だったと感じています。
行動観察は「型」を身体に入れる場所
小学校受験の科目に、「行動観察」があります。 この行動観察について、家庭で対策しようとすると、必ず壁に当たります。
- 何が正解なのか分からない
- どこで減点されるのか見えない
- 子どもへの伝え方が難しい
塾では、この部分を学校ごとの出題傾向に合わせた「型」として、繰り返し練習します。
- 話し合いでの立ち位置
- 他の子への声のかけ方
- 待っているときの姿勢
- 指示を聞くときの態度
驚くべきことに、このあたりができてないと「減点」されていくんですよね。 親が見ている前だとできそな、一つ一つは小さなことですが、これらを無意識でできるレベルまで落とし込む。これが、塾でしかできない訓練だと感じました。
運動は「上手さ」より「減点されない動き」
運動分野についても、塾で得られたものは大きかったです。 家庭ではどうしても、「できる・できない」「上手い・下手」に目がいきがちですが、塾では視点が違いました。
- 指示を聞いてから動けているか
- 順番を守れているか
- 周囲を見て行動できているか
つまり、運動能力そのものより、集団の中での動き方です。
「ここでふざけると強い減点になる」 「ここは安全第一で確実にやる」
そうしたポイントを、何度も体験させてもらえたのは大きかったと思います。
製作は「完成度」より「間に合うこと」
製作についても、家庭学習だけでは気づきにくい視点がありました。
塾では一貫して、
- 指示を正しく理解する
- 時間内に完成させる
- 丁寧すぎて止まらないこと
が強調されていました。
とうぜん、完成度が高い方が点数が良いのですが、間に合わなければ0点です。 多少いびつでも、時間内に、指示どおりに完成していること。
この感覚は、家庭で一対一で見ているだけでは、なかなか身につきません。
予想問題を繰り返す理由
塾では、予想問題や想定パターンを、何度も何度も繰り返します。
最初は、また同じような問題?と思うこともありました。
ですが本番が近づくにつれ、模試を受けるたびに、その意味が分かってきます。
- 初めての形式でも慌てない
- 指示が多少変わっても対応できる
- 「知っている感じ」が安心感になる
これは、量をこなした家庭だけが得られる感覚でした。
願書は「家庭の考え」を整える作業
塾の役割として、意外と大きかったのが願書の添削です。
願書を書く過程で、
- 家庭として何を大切にしているか
- 子どもをどう育てたいか
- それが学校の方針と合っているか
を、何度も見直すことになります。
赤ペンで修正されるのは文章ですが、実際に修正されているのは、家庭の考え方そのものだと感じました。
塾は「家庭のズレ」を修正する場所
振り返ってみると、塾の本当の役割はこれだったと思います。 家庭の感覚と、受験で求められる感覚のズレを修正すること
- 家では許される行動
- 受験では減点になる行動
- 親が良かれと思ってやっていること
こうしたズレを、第三者の視点で指摘してもらえること。 これが、何より大きかったです。
まとめ
小学校受験塾は、勉強を教える場所ではなく
受験に必要な振る舞いを、実践で身につける場所
でした。
家庭学習だけでは補えない部分を、体系的に、繰り返し、体に入れる。それが塾の役割だったと感じています。
次回は、 「模試でD判定でも諦めなくてよかった理由」 について、 実体験をもとに書いていく予定です。